西洋なしの女王様

ラ・フランス

主な産地 | 山形県、長野県、岩手県、福島県
出荷時期 | 11月中旬~12月下旬

<特徴>

フランス原産で、1903年に日本へ入ってきました。当時は栽培に手間がかかるために食用ではなく受粉用として使用されていましたが、その後のグルメブームで一気に世に広がり、今では日本一作られる洋梨になりました。山形県産が8割を占めており、250~300g位の中玉で一見外見がごつごつとしておりいびつで不揃いのものが多いです。皮の色はグリーンから黄緑の地に暗灰色や灰褐色のサビ模様がついています。果実は追熟を経ると、大変美味しく、石細胞が少なく多汁でとろけるように柔らかく、高級マスクメロンのような食感で、糖度も14~15度にもなり、それでいてやさしい酸味があるので甘ったるいわけではなく、濃厚な味わいが楽しめます。そして何よりも、芳醇な芳香があります。

 

<100グラムあたりのカロリーと主な栄養素>

約54kcal

食物繊維の含有量で、ラ・フランスの方が日本なしより2倍多く含まれてます。消化吸収のよいショ糖や果糖は病中病後の体力回復を助け、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸には、体の代謝活動を促進し疲労を回復させる効果があります。また、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排泄してくれるカリウムも比較的多く含まれるので、高血圧の予防にも効果があり、タンパク質分解酵素のプロテアーゼを含むので、ラ・フランスは肉料理の後のデザートにもおすすめです。日本なしの2倍ある豊富な食物繊維は、水溶性/不溶性のバランスが良いので整腸作用とともに血中コレステロールを下げる作用も期待できる。さらに糖アルコールの一種であるソルビトール (sorbitol)には、整腸作用、咳やのどの炎症を鎮める働きがあります。

 

<おいしいものの見分け方>

食べごろになっても果皮が黄色に変化しないので、食べごろの判断する目安は軸と軸の周りのシワ見る。食べごろになると軸自体がしおれてきて、軸の周りにシワが寄ってくるので、てっぺんのシワがついたら完熟の証。また、熟してくると軸も茶色くなって乾燥してくる。軸周りの果肉を指でそっと軽く押してやわらかさを感じることができれば食べごろです。

 

<ハナフルオススメの食べ方>

皮をむいてそのまま、コンポート、ピューレ、タルト、デニッシュ、ジャムがおすすめです。切ってみて硬ければ、サラダにどうぞ。

 

<保存方法>

追熟させる場合は、紙袋などに入れて15~20度前後の部屋で保存。30度を超える場所で保存すると、追熟障害が起こるので注意が必要です。早く追熟させたい場合は、りんごと一緒にポリ袋に入れておくとよいです。なお、完熟した西洋なしは傷みやすいので早めに食べきるようにしてください。